第18回日本乳癌検診学会総会

期日:2008年 12月5日〜6日

場所:名古屋,名古屋国際会議場

 

発表

超高解像度液晶モニタの信号検出能の評価ーファントム画像を用いた視覚評価ー

西村 綾,他

 

 

コメント

RSNA2008を中座しての参加でした.参加前にプログラムを見たときから感じていたことですが,教育講演やシンポジウムがかなり充実していました.見所が多く,とにかく時間の経つのが早かったです.参加型のイベントが多いため,学会終了後には,大きな達成感を得ることができました.(田中にとって)初参加ということもあり,いつもより詳細な報告になっています.

←真研おっぱいチームの二人,新人・田中(左)とベテラン・西村(右)

まずは,フィルムコンテストの様子です.金沢大学附属病院チームはこのコンテストで見事銅賞を受賞しました!!川島先生&市川先生&西村さん3名による,臨床と技術のコラボレーションの賜物です.おめでとう!!
初日の朝一番,パネルディスカッション1「乳癌検診従事者の労働環境」では,教育システムや労働環境について議論されていました.北海道では,札幌から検診センターが道内すべてをカバーしていて,技師の年間出張日数は100日以上だそうです(1週間帰れないこともあるとか).この報告には驚きました.女性技師がまだまだ不足していること,高齢受診者への対応(バリアフリーetc.)が必要であること,品質管理やレポート作成も業務の一環とし,適切な人数設定をすべきなど,報告が続きました.女性が長く従事できる労働環境整備が急務だと感じました.

CADのセッションでは,システムの臨床評価や比較に関する報告がありました.CAD検出結果と臨床画像が提示され,FNの原因が考察されていました(例:周囲の乳腺組織と等濃度で辺縁の濃度勾配もなだらかであったため,背景濃度が高かったため,など).邦人乳房に合わせたアルゴリズムチューニングが必要である,医師が見落としCADにより所見が拾い上げられた症例はなかった,アルゴリズムや特徴を理解して使用すべきである,検診利用目的ならFNが多くてもいいからカテゴリー3も拾う感度が必要である,など様々な意見がありました.まだ初期成果報告の段階なので,今後の報告にも注目したいところです.

←懇親会の様子,CADとは関係ないけど...

ランチョンセミナーは,どれに参加するかかなり悩みました.だってマンモに関するテーマなんですから.どれも見たい!!

初日は,MRI検診の可能性 に関するセミナーに参加しました.「乳癌検出に対してTP=95%,FP=16%と感度は高く,MRIだけで見える病変もあり有用ではあるが,現時点ではMRI検診の可能性は低い(High-riskグループなど,ある条件のもとであれば可能性あり).むしろ,自動スキャン方式採用,3D&多断面取得,カテゴリー分類整備されれば,エコーに見込みがある.」といった内容でした.

Film readingの様子です.50症例の写真がシャウカステンにかけられていて,参加者はマークシートにカテゴリーを回答していきます.すぐに採点してもらえて,翌日には解説の時間も用意されていました.
これがマークシートです.時間がなくて参加できませんでしたが,別会場ではエコーのreadingも行われていました.準備は大変だと思いますが,こういった参加型イベントはいいですね!一気に学会参加意識が高まりました.
ポスター&機器展示会場の様子です.マンモグラフィ装置やエコーなどが展示されていました.書籍販売コーナーでは,熱心に内容を吟味する参加者の姿が印象に残りました.

「何はともあれ,質の高い乳癌検診を多くの女性へ」
この学会で印象に残ったフレーズと手羽先の写真で,この学会報告をしめさせたいただきます.

文責:田中


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